自らが選び、自らが歩いたその軌跡は
確かに自分の後ろに連なり続けるのだと。
そして目の前にはこれからも新たな道があり、
自分で選べる選択肢があるのだと。
だがそんなものは幻想でしかない。
今、自らの過ごした一瞬一瞬の時間は、
認識すると共に何処にもなくなり、
閲覧することも戻ることもできない。
ただあやふやな記憶の中で、
虚ろに想像できるだけだ。
目の前に広がる選択肢など
望んで知覚できるはずもなく、
それは一瞬後一瞬後に勝手に飛び込んでくる。
この人生を例えるなら道などではない。
目隠しをされ、
ただ何が起きるかもわからず漂い続ける海か
それとも船の故障で投げ出された漆黒の宇宙か。
そんな不確かで危険な一瞬を、
誰もが彷徨い、あがき、生かされる。
その先に道はない、
戻るべき道も、進むべき道も
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