人として残すモノ。
人として伝えるモノ。
人として勝ち得るモノ。
人として進むモノ。
ゆえに戻れない。
子供の頃はただ、目の前にあるモノがすべてで、
それは自分の気持ちですらそう。
一々の発言に意味などなく、
口をつくのは何の捻りも狙いもないまッさらな要求。
それがかなうもかなわぬもなく、
ただひたすら求め続け、
あるいはそのいくらかは誰かによってかなえられた。
ふと気がつくとそれがどれだけ滑稽かに気づいた。
子供の要求を鼻で笑う大人。それに気づいた。
そこからは少しの狙いと少しの逃げと少しの期待。
足りない頭を少し捻り、大人の狙いを少し先回りする。
それを賢いと思い、それができぬ友人を心の中で笑った。
それからまた少しの時間が流れ、
気がつくとそんな自分を好む人間はいなかった。
そこからまた少し頭を使った。
何がイケなかったのか、何がおかしかったのか、
考えるに連れ、自分の滑稽さに気づき、赤面した。
残ったのは愛だった。
幼き日、自分の拙い願いを笑ってかなえてくれた大人。
幼き日、自分の拙い願いに「それはつたない」と叱ってくれた大人。
しばらくたった日、周囲を見下していた自分と、
それでも友人でいてくれたモノ達。
沢山のモノを失くしたチッポケな自分に残った少しの愛。
ああ、世界はとても暖かい。
なら自分はこの愛を、暖かさを、誰かに伝える人になろう。
自分と同じように、
あるいは自分とは違う何かに囚われている人達に、
沢山の沢山の愛をそそごう、伝えよう、育てよう。
気がつくと僕の周りの世界には沢山の愛があふれているだろう
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